TOKYO Xとは
退する東京の養豚業の再編と輸入肉に負けない消費者に喜ばれる豚の開発を目的として、東京都畜産試験場(現:青梅畜産センター)で平成2年から7年の歳月をかけて開発された豚。
脂肪交雑が入り生産性の高いデュロック種、肉質がなめらかで味が良いバークシャー種、脂肪の味と質がよく肉色が良い北京黒豚の3つの品種の良いところだけを取りいれるように系統造成し、肉質(おいしさ)を求めた改良で生まれた日本初の合成豚。
この豚は、豚には珍しい「TOKYO X」という名を付けましたが、X(エックス)には、 [おいしい肉質をかけあわせてできた][よりよい品質を目指して進化していく] [東京の銘柄豚から世界の都市型養豚モデルを模索する] という意味を込められています。
TOKYO X の肉の特徴は、
①肉の色が淡いピンク ②脂肪の質・色が優れている ③キメが細かく肉が柔らかい
④肉に微細な脂肪組織が入る ⑤肉が多汁性に富むです。
TOKYO X 生産組合は、トウキョウ Xを「生産マニュアル」に基づき統一的に生産し、販売を協同化することで、TOKYO X の銘柄化を確立することを目的として組織しました。
現在、都内農家13名の組合員で活動しています。
組合活動報告・・組合沿革
平成8年 | SaBAQ活性化協議会の設立・開催 |
平成8年11月20日 | 東京都養豚協議会の一組織として東京都高品質系統豚出荷組合を設立・・組合員18名 |
平成9年7月17日 | 系統豚「トウキョウ X」が日本種豚登録協議会で認定 |
平成9年10月 | 系統豚「トウキョウ X」の流通名称が「TOKYO X」に決定 |
平成9年10月9日 | 「TOKYO X」初出荷 |
平成10月14日 | 店頭販売開始 |
平成10年7月 | 都外生産者とのTOKYO Xの協同生産出荷開始 |
平成11年10月21日 | 「TOKYO X・Association」設立・・設立同意者36名 |
平成13年7月18日 | 都内生産者と都外生産者からなる「TOKYO X連絡会議」設立・・構成会議員22名 |
平成14年9月4日 | TOKYO X耳標装着要領制定 |
平成17年4月1日 | 「TOKYO X生産組合」として養豚協議会より独立..組合員13名 |
平成17年6月17日 | 「TOKYO X(図形)」商標登録承認 |
TOKYO X (トウキョウエックス) みなさんこの言葉をご存知でしょうか?
TOKYO X は、従来の畜産のように経済効率や生産性を追い求めた畜産ではなく、動物のことを第1に考え安全でおいしく食べられる畜産物を提供しようという考えのもと、私たち生産組合が大切に育てている豚です。
TOKYO X は純粋種なので、飼育が一般の豚と比べると難しいと言われがちですが、1頭1頭の顔を見ながら愛情を持って育てれば、立派なTOKYO X に成長してくれます。
「TOKYO X 飼育管理マニュアル」で飼育方法や・餌が決められている上、すべての豚に耳標をつけなくてはいけないなど決まりごとも多くありますが、組合として安全でおいしいTOKYO X を消費者のみなさまに届けるために、今出来ることを精一杯やっています。
また、TOKYO X をおいしく食べて頂くだけでなく、食べて頂くことにより食糧・環境問題等、社会に貢献できる豚に進化していきます。
まだまだ生産量が少なく、みなさまのお手元まで十分にお届けすることが出来ていませんが、組合員一同、TOKYO X を通じて東京から新しい畜産の形を日本に、そして世界に発信することにより家畜と人間が楽しくそして仲良く生きていくことができる社会の実現を目指していきます。
生産流通体制
TOKYO X 生産組合を通じて青梅畜産センターより東京都内農家にトウキョウ Xの♂と♀を配付します。
このトウキョウ Xの両親から生まれた子豚のうち、優良な♀豚をトウキョウ X種豚として都外農家に配付し、残りの豚は肉豚として食肉処理場に出荷します。
都外農家は、都内農家から配付されたトウキョウ X♀とTOKYO X 生産組合より配付されたトウキョウ X♂からトウキョウ X(肉豚)を生産し食肉処理場に出荷します。
出荷されたTOKYO Xは、指定の食肉処理場・食肉加工業者を通じて、Tokyo X Associationに加盟する販売店に運ばれて消費者の元に届けられます。
TOKYO Xは、Tokyo X同士の純粋交配で、青梅畜産センターが血統を管理し、遺伝的組み合せを決めています。
そのため、決められた個体以外や他品種との交配は禁止しています。
トウキョウ X以外の個体と交配したり、組合員以外の人にトウキョウ Xを譲り渡したりした場合は、組合から除名されるとともに厳しいペナルティが科せられます。
1頭1頭を耳標で管理
トウキョウ Xは、「SaBAQ」の理念に賛同する農家でのみ生産され、「TOKYO X 飼育マニュアル」で飼育管理方法・餌等が決められ、1頭1頭大事に育てられています。
生後1ケ月ほどになると子豚は、母豚の元を離れ一人立ちし、同じ時期に生まれた仲間と一緒に生活するようになります。
仲間達との生活はとても楽しいものですが、同じような模様の仲間もいるため、どの子がどの親から生まれたのか?どの子とどの子が兄弟だったのか解らなくなってしまいます。
そこで、この時期の子豚の左耳に耳標を装着します。
耳標は、人間で言うところの戸籍のようなもので、お母さん・お父さんの名前・誕生日・食べている餌の種類等多くの情報が蓄積されていきます。
これにより、1頭1頭を生まれてから出荷まできちんと把握するとともに1頭1頭がどのような人生?(豚生)を送ったかがわかります。
まさに、1頭1頭の豚の個性を把握したきめ細かな飼育を実施しています。